かみ合わせとは?
みなさんは「正常な噛み合わせ」と聞いてどのような状態のことを指すかご存知でしょうか?
そもそも噛み合わせとは、お口の中に何もモノを入れずに噛んだ時、上の歯と下の歯が接する位置のことをいいます。鏡を使って自分の噛み合わせを見てみましょう。上の前歯の真ん中(正中と言います)と下の前歯の真ん中は一致していますか?一般的に約3割の方が一致していますが、残りの7割の方はずれていると言われています。
しかし、正中がずれている状態すべてが異常かというとそうではないのです。
顎を動かす筋肉は、日によって緊張度合いが変わるので、正中がずれていても別の日には正常に戻っている場合があります。
ここで大事なことは、全身の筋肉と顎の筋肉は連動しているということです。
筋肉の連動により、噛み合わせのずれが長く続いている状態が問題なのです。
肩こりや腰痛など全身の筋肉が緊張していると、顎の筋肉も緊張し、噛み合わせがずれた状態が長くなります。そうなることで顎の痛み、歯の痛み、頭痛も起こってきます。逆に言うと、噛み合わせがずれていると、肩こりや腰痛が起きてしまうということです。
少し具体的に説明しましょう。
何らかの原因で、片方の歯でばかり噛む癖がついてしまうと、片側ばかり力がかかるため噛み合わせはずれていきます。そして、その方向へ首は傾き、それに引っ張られて肩の筋肉が前へ傾きます。さらに連動して腰が曲がり、そのバランスを取るために足が曲がった状態が続きます。(いわゆる姿勢が悪い状態です。)結果として、噛み合わせのずれが姿勢を悪くし、足腰の痛みへと繋がるのです。
(※筋肉の強さには個人差があるので、噛み合わせがずれている人全員が、肩こり腰痛になるわけではありません。)
そして皆さんは、上の歯と下の歯が1日にどれくらいの時間接触しているか想像できますか?
上下の歯が接する時間は、1日のうち20分以下が理想的といわれています。それ以上になると、歯や顎に負担がかかり痛みへと繋がっていくのです。
上下の歯が接触する時間は約0.3秒×噛む回数。一回の食事でよく噛んで食べる人でも約3分といわれ、1日3回の食事でも合計約9分。
生活の中で無意識に食い縛りや歯ぎしりをされている方は、残り11分以上の接触をしていると考えられ、歯や顎に相当な負担をかけているかもしれません。
食いしばりや歯ぎしりの原因も、噛み合わせのずれ、もしくは肩こりなど全身の筋肉のバランスの不調によって引き起こされている場合があります。
つまり、噛み合わせはあらゆる不調と繋がっているのです。
日常生活の中でなんらかの支障を伴う症状があれば、噛み合わせや姿勢が原因の場合もございます。当院はそれらを総合的にみて治療計画を立てていきますので、まずはお気軽にご相談ください。