第三回

TCH(上下歯列接触癖)について

普段の生活の中で、ふと気が付くと上下の歯が触れていることはありませんか?

上下の歯を接触させ続ける癖のことを上下歯列接触癖(Tooth Contact Habit 以下TCH)といいます。
集中している時や緊張している時、長時間俯いている時に無意識に接触させてしまう方が多いです。通常、リラックスしている時には上下の歯は触れていません。唇を閉じていても歯は数ミリ離れています。

TCHをしていると、本来の接触時間(1日に約20分)以上に上下の歯が触れていることになるので、歯や歯の周りの組織、そして筋肉に負荷を与えることになります。
また、TCHは弱い力で接触していることも多いため自覚しにくく、継続的に負荷を与えてしまい、気付かぬうちに様々な症状を引き起こします。

歯科の症状としては、

  • 歯が傷みやすい
  • あごの骨(歯槽骨)が減りやすい
  • 被せ物がはずれる
  • 嚙み合わせの違和感
  • 顎関節症になりやすい
  • しみる症状がでる
  • 歯が割れる 等

身に覚えはありませんでしょうか。

また、咀嚼筋(噛む動作で使う筋肉)が働き続けることで血液が滞ってしまうため、肩こり、首こり、頭痛等、全身に症状が出ることもあります。

では、TCHを止めるにはどうしたらいいのでしょうか。
今すぐ出来ることは、「唇を閉じて歯を離す」と意識することです。ときどき思い出せるように、メモを貼る方法がおすすめです。職場やご家庭の目に触れるところにメモや印となるシールなどを貼り、マークを見たら歯を離す(リラックスする)きっかけを作ります。

この他に、呼吸で緊張を和らげる方法もあります。

  1. ①背筋を伸ばして膝を揃えて座り、鼻から息を吸い、肩を引き上げる

  2. ②肩を落として、口からふ~~っと息を吐き出す
    (背中が丸くなりやすいので意識しながら肩のみ落とす)

①、②をゆっくり3回繰り返すと上下の歯の間に隙間ができているかと思います。

「なんとかしてクセをなくそう」と頑張ってしまうのは逆効果。まずはリラックスからはじめてみましょう。

日常生活に何らかの支障を伴う症状があれば、TCHが原因の場合もございます。まずはお気軽にご相談ください。

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